2013年07月17日

チーフシェフはやめてくれ

日頃食に関するテレビ番組をよく見ますが、間違った言葉遣いがどうも気になります。この日もBSをザッピングしていたらたまたま出くわしました。フランス人が日本のテレビを見て、どの時間帯でもどこかの局で食に関する番組を放映しているのに驚いたという話を読んだことがありますが、まさにその通りです。

傾向として共通するのは、外来語の重複表記です。今回見たのは「ポモドーロトマト」というものでした。もともとイタリア語でトマトがポモドーロなので、これではトマトトマトになってしまいます。どうもポモドーロという品種のトマトという意味で使っていたようですが、とんでもない間違いです。これもいつものように、あまり言葉の意味を考えずに使った結果です。

それで以前から気になっていた言葉を思い出しました。ときどき見聞きする「チーフシェフ」という表現です。これもフランス語でシェフはチーフの意味なので、これではチーフチーフになってしまいます。料理長ということを言いたいようで、どうもシェフという言葉が料理人の意味であると思っているようです。例えば菓子職人のトップのことをシェフパティシエと言いますが、その意味だとお菓子も作れる料理人という使い方がされそうです。

以前ポタージュスープという言葉については書きましたが、これも重複表記の一例です。いずれも外来語を用いる際は何となくその音の響きやイメージだけで安易に使うのではなく、もともとの意味を考えて使ってもらいたいものです。海外でも通用する人材育成を掲げていながら、これでは海外で笑われてしまいます。
posted by bourbon_ueda at 00:00 | Comment(0) | 食をめぐる報道
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